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三菱電機のオフコンの歴史


1 三菱電機の事務用コンピュータ

三菱電機の当初技術計算用やプロセス制御用などの分野に主眼を置いてコンピュータ開発を行っていました。

ところが1961年にIBMの新機種IBM1401が日本で爆発的人気が出たため、三菱電機でも事務用コンピュータを急遽作る必要がでてきました。しかし三菱電機は今まで事務用コンピュータのノウハウがなく、特に事務用特有の周辺装置については全く手付かずの状態でした。

そこで1962年2月に、アメリカのTRWと技術提携し、それにもとづいて1964年5月にTRW530というコンピュータの国産版であるMELCOM1530を完成させました。

2 三菱の会計機

1963年にフランスのMAM社と会計機に関する技術提携を行い、翌1964年1月には早くも国産会計機MAM21を発表しました。続いてMAM11、MAM51の2種類の会計機を加え本格的な生産を開始しました。これらの会計機は機械式で、演算や記憶レジスタは歯車の組み合わせで作動しました。

これら会計機はメカニズムが複雑なため、製品の信頼性確保が難しく、その割りに売り上げが芳しくありませんでした。

1968年、MAM会計機を元に設計した電子会計機MELCOM81およびMELCOM82を発表します。これはストアドプログラム方式でCOOLと呼ばれる先進的なプログラム言語を持っていました。

この後MELCOM80シリーズは、MELCOM83(1969年)、MELCOM84(1970年)、MELCOM88(1972年)、MELCOM86(1973年)と次々に発表されました。これらは紙テープベースから磁気ディスクへ、マルチビリング、オンライン処理と新しい技術を次々に取り入れ、ベストセラーとなりました。





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1961年に発表されたIBM1401は、本来IBM7070という本格的なコンピュータの”衛星コンピュータ”としての役割を持ち、単独のコンピュータとしては能力不足なところがあったが、当時の日本の大企業にとって手ごろであったことから、このIBM1401は事務用途のコンピュータとして爆発的人気となった。
当時は外国からのコンピュータの輸入には通産省の許可が必要で、外貨の問題と国産コンピュータの保護・育成政策によりなかなか許可はおりなかった。通産省に輸入申請をすると担当者が呼び出され「なぜIBMの1401が必要なのか。なぜ日本のメーカーを使わないのか」とヒアリングがされた。特にコンピュータメーカー系の企業は厳しく指導され、当然三菱系の企業は「おたくは三菱電機のものを使用すればよいではないか。」と言われた。ここで日立系や東芝系の企業なら素直に自分の系列の企業が作っている事務用コンピュータを選べばよいが、三菱電機は事務用コンピュータを作っていないのでそれができない。三菱系企業もこれでは困るし、通産省自身も指導することができない。このような理由もあり、三菱電機は急遽事務用のコンピュータを作ることになった。
TRW(トムソン・レーモ・ウールドリッジ:Thompson Ramo Woolridge)は当時アメリカ有数のプロセス制御用コンピュータメーカーであった。技術計算用とプロセス制御用コンピュータ分野を重視する三菱電機にとって、TRWとの技術提携はもっとも好ましいものであった。
TRW社がIBM1401対抗コンピュータとして開発した。世代的には第2世代だったが、マイクロプログラム制御のさきがけとなる方式を採用(マイクロプログラム収納に適した高速読み出し専用のメモリが無かったため、マイクロプログラムを主メモリに格納していた)するなど次世代との過度期的なコンピュータ。
当時の区分で中型汎用コンピュータ(オフコンではない。)。TRW530を元に三菱電機が自力開発した。主メモリとしてアクセスタイム3μS、サイクルタイム6μSという高速な磁気コアメモリを使用。
問題は周辺機器で、TRW自身は自社で周辺機器を使用しておらずIBMのものを購入して使用していた。このため磁気テープ、ラインプリンタ、カードリーダなどはアメリカのメーカー、カードパンチはフランス製と外国メーカー(もともとIBM製コンピュータ対抗として作られたものなのでIBM製の周辺機器を付けることは通産省の意向に反する。という訳でIBM以外のメーカー)のものを集めて付けていた。(こうして寄せ集めた外国メーカー製の周辺装置の保守も三菱電機が行ったため非常に苦労したらしい。)
こうしてMELCOM1530は完成したものの、不幸にしてその1ヶ月前にIBMがシステム360を発表し第3世代コンピュータの時代となり、それ以前のコンピュータを一気に旧式としてしまった。このためMELCOM1530の発売期間は1964年から翌年までの短期間となってしまったが、このわずかの期間に25システムが納入された。